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NPO法人日本瓦葺技能継承甍会

活動報告

活動報告一覧

平成25年度 初級伝統的瓦葺技能研修会

2013年04月01日

25年度初級‐1
平成25年度 初級 伝統的瓦葺技能研修会 報告書
平成25年2月17日~20日の4日間に亘り、京都市嵯峨野に有ります、コミュニティ嵯峨野に於いて平成24年度初級伝統的瓦葺技能研修会を開催致しました。
本年度の参加者は、北は茨城県より南は香川県まで16名の参加を受け、役員、講師を含む25名にて実施致しました。
1日目 午後1時30分より開講ミーティング・理事長の挨拶後、カリキュラムの説明を執り行い各参加者の自己紹介を経て、初日の講義に移行。カリキュラムに沿って進められる初日は、瓦の納まりに対する考え方を紐解く上で大切となる原寸図より、基本的納まりの考察。基本原寸図に必要な瓦のテンプレート作りの基礎を、実際のカットした瓦から型取り。その後の作図にとって如何に最初のテンプレートの精度が重要になるか、考え方の教授から作成に至るまで、初級に相応しいレベルと授業スピードで参加者に対応して行きました。夕方まで続いたテンプレート作りもひと区切りとなり、夕食後の夜の部ではやはり初級と言うことで、パソコンでの施工図作成に欠かせないJW-CAD操作の基本から作図に行くまでの操作手順を、こちらも生徒のレベルに準じた指導と成りました。夜まで続く講習でテンプレート作りに遅れを取っていた受講者は、各自の部屋までカット作業を持ち込み、2日目のスタートに遅れを取らないよう準備作業に勤しんでおりました。
2日目 朝から屋根納まり原寸図の作図に入りました。講師による作図手順の説明に理解を示しながら、各自が課題図である、簡略瓦の軒先部流れ断面図~平部水平断面図、そして袖瓦の関係を示す納まり作図と棟断面から展開される側面図へと、基本が凝縮された課題図を元に施工図を仕上げて行きます。依り良い施工図とはどう言う物なのか?書く手順は?基準点とテンプレートの関係とは?等、疑問が有ればその都度講師より丁寧な解説と、依り理解度を深める為に作図の実演指導が行われ、足並みの揃ったレベルアップに配慮しながら、まる1日を費やし、課題図の仕上げを行いました。休憩時間などの空き時間には、様々な納まり写真や多くの原寸図資料に目を通し、瓦漬けの時間を過ごしておりました。
同夕食後には前夜に引き続きJW-CADの講習を執り行い、基本操作を学んだ所で2日目が修了。その後も各部屋では瓦談義に花が咲いておりました。
3日目 午前中は徳舛講師による「瓦葺き魅力」と題しまして、先人達より伝えられた瓦の納まりに対する技能や技術、建物を含めた景観と瓦の調和について、過去から現在に至る瓦の変遷等スライドを交えて解説して頂き、寺社建築瓦葺き技能者として必要となる基礎的考察法や考え方、また心構え迄を講演していただきました。午後からは、再度原寸図に移行し、隅棟の納まりや施工図作成に欠かせない、「隅山勾配」の求め方から作図の仕方までを講義し、夜には午前中に残った瓦葺きの考察の続きを講義して夜の部も終了。その後、明日の研修場所移動に時間がかかる為、修了式を執り行い修了証書と記念品授与を先に済ませ無事終了。
最終日 京都府宇治市に有ります黄檗宗総本山 黄檗山萬福寺 伽藍見学研修に移動。公益社団法人 全国国宝重要文化財所有者連盟 事務局長 後藤佐雅夫先生を講師にお招きし、寒さ厳しい宇治の地で文化財であります大雄宝殿から齊堂、東方丈等で解説を頂きました。また、マカラの据えられた山門など初めて目にするその雄姿に研修生も写真撮影に余念がありませんでした。見学研修終了後一同昼食を共にして、挨拶の後解散、閉講となりました。
講習に参加して頂いた受講生の思いは純粋で、技能の継承を胸にしっかりと前途を見据えていました。その目から伝わる思いは、之からも瓦文化継承の火が途絶えることの無いものであると、確信できた4日間の講習でした。
25年度初級-2 25年度初級-3 25年度初級-4 25年度初級-5

平成24年度 初級伝統的瓦葺技能移動研修会in大阪

2012年11月30日

24年度移動大阪-1
平成24年度 「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in大阪」
日時  平成23年10月28日(金)~30日(日)
会場  大阪府大阪市人材開発センター (大阪府和泉市テクノステージ2-3-5 )
参加者 研修生 12名 内部講師 理事長以下6名 大阪瓦組合員見学オブザーバー4名
 
※ 初級移動研修会では各地方に出向き、研修の機会と場所を提供し、後継者育成に努める人材の育成
 が目的であるため、参加者全員が施工図作図から実際の瓦を触り、屋根架台施工を行うことで経験値
 を増やすことがこの研修の本来の姿である。
 
第1日目
・13時00分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・5時限~8時限目 隅棟の施工図作図より実際の隅棟施工までを行う初級研修会では、3日間で基本と
 なる描き方、納まり、施工を研修するため、全てが凝縮された研修内容となる。短期で技能習得を目
 指す研修生は真剣な眼差しで講師の話に耳を傾けていました。
始まりに隅棟の考え方から、隅棟の仕上がり線の決め方の講習を受けると、課題に準じ施工する棟の
線を決め、のし瓦からテンプレートを起こして棟断面図を作図、隅棟側面図作成、棟積み工法の基礎
を習得して緊張感の漂う中、初日の研修が終了しました。
 
第2日目
・1時限目~10時限目 架台に原寸図から算出した位置に鬼瓦を設置、仮想土井丸瓦施工上に、鎖垂水の線に準じ台面熨斗施工準備。同時に瓦の選別作業と、瓦計測記録表の作成と原寸図から導き出した鳥居の作成に入る。受講生全員で台面の施工から始まり、のし瓦の一枚一枚勾配管理の仕方、台面の下端・上端・2段目との関係が出る背中位置の上端の線など、棟積みに欠かせない注意点に意識を置き、全員が隅棟台面施工に勤しむ事で基準作りの大切さを再確認した。続けて原寸図より導き出した棟の位置に鳥居型を設置、捨てのし位置に水糸を張り不具合の有無や、鳥居の設置位置となる基準の考察、不陸調整の仕方を学び、ステ熨斗瓦の準備をして加工をして2日目の講習が終了しまた。
 
第3日目
・1時限目~7時限目
3日目に入り講習生の打ち解けた雰囲気の中でも、瓦を触りだすと真剣な眼差しは、この講習会に参加
することで何かを得て帰ろうとする受講生の貪欲さが表れており、有意義な講習会となっていること
が見て取れました。前日からの続きで、捨てのし3段の施工と割熨斗瓦の施工棟前後・2台の研修架台に向かい合い4か所に分かれ施工。持ち場所のローテーションを組んで受講生が順次施工してゆきました。熨斗瓦を終了すると鳥居を丁寧に外し、積み上げられた仕上がり線を格段毎にチェック。不具合個所には、講師が原因と経過・結論を交え説明し理解度を深め、仕上げの衾施工に入り無事隅棟架台が施工終了しました。
今回の研修会で得た経験を現場にフィードバック出来るよう、日々の研鑽に勤しむ事で文化の継承を
約束し修了証を受け「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in大阪」が無事に終了致しました。
24年度移動大阪-2 24年度移動大阪-3 24年度移動大阪-4 24年度移動大阪-5

平成24年度 初級伝統的瓦葺技能研修会

2012年03月22日

24年度初級-4
平成24年度 初級 伝統的瓦葺技能研修会 報告書
 
平成24年2月22日~25日の4日間、京都市右京区のコミュニティ嵯峨野に於いて平成24年度初級伝統的瓦葺技能研修会を開催しました。
昭和60年に故徳舛敏成塾長が全国の若者に「京都へ来たれ」の呼びかけではじめられたこの研修会も、今年で28回目を向かえ、東は栃木県から西は大分県まで、年齢も28歳から55歳までの方の15名による受講生と役員及び講師8名の計23名にて行いました。
 
 初日は、午後より徳舛理事による「瓦の美」と題し、先人達より伝えられた瓦の納まりや、建物を含めた景観との調和について、スライドを交えて解説して頂き、瓦葺き技能者としての基礎と成る心構えを講演していただきました。
 二日目からは、施工原寸図を描くために欠かせないテンプレートを作り、簡略瓦の軒先納まり図、棟納まり図を作成し、三日目からは、初日の図面より隅棟納まり図、壁熨斗納まり図を作成しました。又、3日間を通じ、夕食後はパソコンで施工図を描くためにJW-CADの使い方を勉強し、その後も夜遅くまで、施工写真や施工図をもとに各々の施工の考え方や事業所の在り方、私達瓦業会の在り方等、尽きる事のない瓦談議に花を咲かせました。
 
 最終日は京都の智恩院にて見学会を行いました。講師にお招きした、社団法人 全国国宝重要文化財所有者連盟 事務局長の後藤佐雅夫先生の御好意により、特別公開の期間中にしか見学できない三門楼上内部や大鐘楼、経蔵の内部も拝見する事ができました。そして、午後より甍技塾徳舛瓦店内京都事務所にて閉講式を行い無事終了いたしました。
 
 昨年発生した、東日本大震災や日本各地で起こった自然災害は、瓦業界の先人達が脈々と取り組んできた人材育成・技能の向上・仕事に対する心構えというものを改めて、私達「瓦」に携わる者一人ひとりに現実的な課題として、投げかけられている様な思いに駆られます。
 講師を含めた23名の参加者全員がそんな投げかけに答えるべく、過ごした4日間であったと思います。
24年度初級-2 24年度初級-5 24年度初級-3 24年度初級-1

平成23年度 初級伝統的瓦葺技能移動研修会in岐阜

2011年11月29日

23年度10月初級移動岐阜ー1
平成23年度 「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in岐阜」
日時  平成23年10月28日(金)~30日(日)
会場  岐阜県人材開発センター (岐阜県岐阜市学園町2丁目33)
参加者 研修生 8名 内部講師 理事長以下7名
 
※ 初級移動研修会では各地方に出向き、研修の機会と場所を提供し、後継者育成に努める人材の育成
 が目的であるため、参加者全員が施工図作図から実際の瓦を触り、屋根架台施工を行うことで経験値
 を増やすことがこの研修の本来の姿である。
 
第1日目
・13時00分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・5時限~8時限目 棟の施工図作図より実際の本棟施工までを行う初級研修会では、3日間で基本とな
る描き方、納まり、施工を研修するため、全てが凝縮された研修内容となる。短期で技能習得を目指
す研修生は真剣な眼差しで講師の話に耳を傾けていました。
始まりに棟の考え方から、棟の仕上がり線の決め方の講習を受けると、課題に準じ施工する棟の線を
決め、のし瓦からテンプレートを起こして棟断面図を作図、鳥居による棟積み工法の基礎を習得して
緊張感の漂う中、初日の研修が終了しました。
 
第2日目
・1時限目~10時限目 架台に原寸図から算出した位置に鬼瓦を設置、仮想甍軒瓦施工。同時に瓦の選 
 別作業と、瓦計測記録表の作成と原寸図から導き出した鳥居の作成に入る。受講生全員で台面の施工
 から始まり、のし瓦の一枚一枚勾配管理の仕方、台面の下端・上端・2段目との関係が出る背中位置の
 上端の線など、棟積みに欠かせない注意点に意識を置き、全員が台面施工に勤しむ事で基準作りの大
 切さを再確認した。続けて原寸図より導き出した棟の位置に鳥居型を設置、仕上がり線確認の為に天
 のし位置に水糸を張り不具合の有無や、鳥居の設置位置となる基準の考察、不陸調整の仕方を学び、
 割のし2段を施工して2日目の講習が終了しまた。
 
第3日目
・1時限目~7時限目
3日目に入り講習生の打ち解けた雰囲気の中でも、瓦を触りだすと真剣な眼差しは、この講習会に参加
することで何かを得て帰ろうとする受講生の貪欲さが表れており、有意義な講習会となっていること
が見て取れました。前日からの続きで、割のし3段目以降の施工を棟に対し中央より前後・左右4か
所に分かれ、施工持ち場所をローテーションを組んで受講生が順次施工してゆきました。のし終了す
ると鳥居を丁寧に外し、積み上げられた仕上がり線を格段毎にチェック。不具合個所には、講師が原
因と経過・結論を交え説明し理解度を深め、仕上げの衾施工に入り無事棟架台が施工終了しました。
今回の研修会で得た経験を現場にフィードバック出来るよう、日々の研鑽に勤しむ事で文化の継承を
約束し修了証を受け「初級伝統的瓦葺技能移動研修会 in岐阜」が無事に終了致しました。
23年度10月初級移動岐阜ー2 23年度10月初級移動岐阜ー3 23年度10月初級移動岐阜ー4 23年度10月初級移動岐阜ー5

平成23年度 初級伝統的瓦葺技能研修会

2011年04月03日

23年度初級研修会-1
平成23年度 初級伝統的瓦葺技能研修会を平成23年2月21日~24日の4日間京都市のコミュニティー嵯峨野に於いて参加者13名により開催いたしました。
この研修会の前身は、昭和60年に故徳舛敏成塾長が年1回「甍技塾研修会」を行い、伝統技能習得希望者に門を開いたことに始まりました。塾長亡き後、初めての京都開催と言うことで不安もありましたが、参加者は会員2名一般11名、役員及び講師5名の計18名により開催いたしました。
初級伝統的瓦葺技能研修会は、瓦葺き技能・技術についての基礎である、瓦の取り扱いや心構えを踏まえて、瓦の納まりをより深く知るための施工原寸図について学びます。
瓦工事に従事する者として、生きた知識や経験が必要であり、あいまいな点があってはならない事から、各部詳細図および断面図を描き瓦葺き工事上の納まりを知り、葺地厚・軒の出・前包みの高さ・破風の切り上げ寸法・棟積みの幅や高さ等の仕上がり寸法をよく把握することが大切です。又、原寸図を描く目的には、責任者が瓦を納める考え方を瓦葺師に伝えるための手段とする場合や、手がける仕事の屋根形状・瓦の形状・寸法・捩じれ等を十分検討する場合などがあります。過去の経験や推測だけで施工できるとしても、往々にして間違いや、手直しに陥る事もあるので、これらを防ぐためにも現場仕事を手がける前での確認・検討手段としては欠かせないものです。
 初日は、施工原寸図を描くために欠かせない、テンプレートを作り、二日目に簡略瓦の軒先納まり図・壁熨斗納まり図・本葺軒先納まり図・掛瓦納まり図等を描き、三日目は寺社建築の瓦屋根平部・軒部・掛部・棟部の考え方についての学習でした。又、各日夕食後は、パソコンで施工図を描くためにJw_CADの使い方を勉強し、その後も夜遅くまで互いに持ち寄った施工写真や施工図をもとに、技術論や各地域の施工の考え方等、瓦談義に花が咲きました。最終日は大覚寺様・清凉寺様・天竜寺様を見学し閉講となりましたが、4日間を通し参加者の方からは一つでも多くのことを学び持ち帰ろうと言う熱意が伝わりました。さらに一般参加者11名の内、8名の方が正会員として入会され大変嬉しく思うと同時に身の引き締まる思いです。
今後もこの様な活動を継続し知識や経験を深め、地域文化財所有者や建築家、一般市民が安心して依頼できる瓦葺技能者育成のお手伝いが出来る様に、心新たに本年度の事業に力を入れ取り組んでまいります。
23年度 初級研修会-2 23年度初級研修会-3 23年度初級研修会-4 23年度初級研修会-5
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