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NPO法人日本瓦葺技能継承甍会

活動報告

活動報告一覧

『平成24年度 後期 中級伝統的瓦葺技能研修会』5月京都会場 活動報告

2012年06月13日

24年度中級5月-1
平成24年度 後期 中級 伝統的技能研修会   於:京都府 コミュニティー嵯峨野
参加者  受講生:12名 オブザーバー:5名 講師:7名 役員・補助員:13名
 
平成24年5月25日(金)
(時限)3時限  (科目)開講式  (講師)理事・監事
 「 オリエンテーション 記念撮影 」
       松枝副理事 挨拶
       塚本理事長 挨拶
       受講者確認・紹介
       オブザーバー確認・紹介
       理事紹介
       北原副理事 カリキュラム説明
       記念写真撮影
平成24年5月25日(金)
(時限)4、5時限 (科目)保護・法規
(講師)西川英佑氏 ・資料とスライド
「 文化財建造物の地震被害と耐震対策 」
 ・そもそも木造建築は「強いのか」「弱いのか」という疑問から、
過去に起こった地震とその地震の後の修理の文献を調査。
1 安政地震と薬師寺東塔修理
2 東寺 講堂修理
3 明治の古社寺保存法制定後の修理
 ・唐招提寺と東大寺修理
   当時外観重視で、中はどうでもよかった。
   西洋の技術を使っている。
4 関東大震災の被害
5 法隆寺修理
  坂氏による研究により大きなターニングポイントとなる修理となる。
6 近代の修理
 ・実際の調査の過程
1  文化財建造物の診断
目標となる建物がどのような状態になっているか把握する。
   2  対策方針の策定
 ・意匠を損なわないこと   ・部材を傷めないこと
 ・可逆的であること     ・区別可能であること
3  旧神戸居留地十五番館   4 木造民家   5 清水寺 三重塔
  ≪塚本理事長よりアラミド繊維について質問≫
 
 
平成24年5月25日(金)
(時限)6、7、8時限
(科目)維持管理 
(講師)塚本理事長
    「瓦體新書」より
1 雁足
    きれいに足がそろっている建物は美しい。
2 起りと白銀比(大和比)
  普段の生活の中にある大和比
  どういう比率が見えてくるのか
  自分の中で何がかっこいいのかを探る。
3 見付け
  現場に入る前その位置に立ち、いろんなバランスを見て、この空間にどう表現したいのか考える。
4 棟の勢い
  積み方次第で影の出方が違い、勢いが出たり、逆に勢いが殺されたりする。
5 影
  季節、時間の変化によって、瓦の見え方も変化する。それらを見比べることにより自分なり
  の見解を見出す。
(講師)丹監事
  1 葺師としての心得
    お施主に喜んでもらえる仕事をする。
    お施主に各部材についての由来をちゃんと説明をすることが大事
  2 次の世代に瓦を伝える
    火入れ式 鬼立て式 儀式等、思い出を作ってあげるのも仕事
    震災は宿命うまく付き合っていく。
     ≪塚本理事長質問 工法で注意されていること≫
(講師)河合監事
「伝統的土葺き工法の考察」
  1 利点 難点  葺いた後すぐには上に上れない等。  
  2 下葺き材
    通気性のある下葺き材。杉皮等
  3 葺き土
    ワラサ 稲わらを練りこみ一か月ねかせ、藁を足して練り返す。
  4 地葺き
 土を置く方が熟練度がいる。三点法

平成24年5月25日(金)
(時限)9,10時限 (科目)文化財瓦の製造(京瓦) 
(講師)浅田晶久氏   ・資料とスライド
 
「 京瓦・京瓦の歴史と伝統技能継承 」
 
  1 瓦の性能について
  2 京瓦とはなにか
    もう他の産地と違いはない。京都の地で伝承された技術を用いる。
    並、磨き、本うすという三段階の磨きがある。
    磨きで瓦の性能が上がる。
  3 熟練者と弟子との動きの違い
    熟練者は短時間で長いストロークで磨く。
  4 古瓦の粉砕再利用
    試験段階ではあるが、かなりいい結果が得られた。
平成24年5月26日(土)
(時限)1、2、3時限 (科目)調査方法・概要 
(講師)高品正行氏   ・資料とスライド
 
「 調査法・概要・粘土瓦の変遷;製造、意匠の変遷 」
1、日本瓦製造の概要年表       2、瓦製造の概要
3、製造方法による分類        4、現代瓦の産地
5、瓦の機能(目的)         6、粘土瓦製造に関しての参考
7、瓦の歴史(軒丸瓦、軒平瓦を中心に)8、唐草紋の意味
9、粘土瓦の気孔性の意味      10、終わりに
   瓦の機能として12項目(強度から施工性まで)あげた中で、ある項目を求め過ぎると全体の
   バランスが崩れるおそれがある。
   瓦頭や唐草の紋様は形を真似るだけでなく、本来あったであろう意味に興味を持ち大事にした
   い。折に触れ、瓦宇小林章男氏との話やスライドでデイリーの記事
   「汗かいた東大寺の瓦」 (2003年3月7日) 
平成24年5月26日(土)
(時限)4、5、6時限  (科目)工法調査
  (講師)青木弘治氏   ・資料とスライド
「 瓦葺の仕様・工法の把握 」
現状屋根の計画の把握
1、屋根形式・大きさの調査(屋根面積の算出・規模の把握)
2、納まり基準の確認と調査
3、意匠に関する箇所の調査
 
各部工法の調査
1、野地    2、葺土     3、瓦葺     4、棟積
5、鬼(獅子口)の据え方  6、箕甲    7、螻羽の納まり
      葺き材(解体後)の選別と区分け
1、各瓦数量の拾い、使用瓦の確認
2、各使用瓦の形状・寸法の実測
      拒金の使い方
       受講生を交えて平勾配と隅勾配、隅勾配と山勾配(真隅)を製図 
      講義の中で
割付が均等であるとはかぎらない。
 前の人の割付け方、葺き方、逃げなどを見逃さない要に。
       古いものであるから歪み等あるが、元の意図、形状を読み取り修理。
平成24年5月26日(土)
(時限)7時限  (科目)仕様調査
(講師)北原清治氏   ・資料とスライド
「 瓦葺の仕様・工法の把握 」
       屋根の構造を数学的にみてみる。
       ・経験の積み重ねである技能を論理的に説明するために。
・正確な図面を描くには正確な寸法(屋根全体、部材等)が必要。
その為の計り方や要点を説明
       提案として、ある一定の法則性のある数値の一覧表化。Excelを使った曲線  
       (懸垂線、放物線)の一覧表化を説明。
平成24年5月26日(土)
(時限)8、9、10時限 (科目)修復概論
(講師)亀井信雄氏   ・資料とスライド
「 文化財施策の近年の展開 」
1、文化財保護の現状
2、文化財保護をめぐる新たな試み
特論1 文化財建造物の復原について
文化財建造物復原の歴史
現在の保存修理における復原の基本的考え方
    特論2 遺跡の保護と建物復元
      事例として平城宮第一次大極殿の復元の流れを冊子とともに説明
   その中で 
   大極殿復元に関して直接の資料(遺物、文献、絵画)は限られている為、現存する古代建築の
   調査研究と合わせて推定し復元された。 ただ、いかに最善を尽くした結果であっても推定は
   推定であり、この大極殿そのものが過去にさも建っていたかのような誤解を与えないようされ
   ないよう、そのための意識と努力を私達携わる者は忘れることがあってはならない。
 
 平成24年5月27日(日)
(時限)1、2、3時限 (科目)保存修理一般
(講師)野尻孝明氏   ・資料とスライド
「 文化財修復:原理原則 」
修理事業(工事)の流れと関係者
 ・特徴 先に建物がある  ・調査と記録が重要  ・公共性が高い
  原理原則
    →身近なところでは...
     きまり、きまりごと、とりきめ、きめごと、約束...
     きまり→文書、運用
  修理事業の文書 (原理原則のありか)
       ・設計図書(仕様書)→解体工事、調査・記録
         ・破損調査 ・技法調査(仕様調査) ・実施仕様 ・史料調査
       以上までを、主に専修寺如来堂を参考に説明
       ・文化財建造物保存修理補助事業実務の手引き(H15、H17改訂)
       ・文化財保護法 (M4太政官布告、M30古社寺保存法)
       ・ヴェニス憲章  1964年
        受講生が順に朗読し講義終了
平成24年5月27日(日)
(時限)4、5、6時限 (科目)屋根工事
(講師)春日井道彦氏   ・資料とスライド
「 建造物屋根形式 工法の基礎知識 (工法 本瓦) 」
1、概説       2、屋根形式     3、瓦の発生
4、瓦の種類と名称  5、瓦葺の葺き形式  6、屋根葺
切妻造  国宝東大寺転害門
春日造(本瓦葺は希少) 正倉院スギモト神社 鶴林寺行者堂
流造(希少)  重文権現堂神殿(天明6年頃 沖縄県石垣島)
寄棟造  国宝興福寺東金堂(応永22年)
方形造  鑁阿寺(バンナジ) 東大寺行者堂
入母屋造  国宝太山寺本堂(愛媛県)
錣葺(シコロ)  四天王寺金堂(戦災消失) 東大寺念仏堂
         重文地蔵院本堂
         重文鴻池新田会所本屋及び座敷棟(東大阪 民家)
                  (春日井氏 初めての仕事とのこと)
撞木造(シュモク)  善光寺本堂(長野県-山梨県)
           重文鈴木家住宅(浜松市)
唐破風、千鳥破風  国宝姫路城天守、小天守
 
     上記を含め多数のスライド画像とともに説明。
24年度中級5月-2 24年度中級5月-3 24年度中級5月-4 24年度中級5月-5

平成24年度 第3期 通常総会

2016年01月17日

24年度総会-1
平成24年2月5日(日)~6日(月)東京都新宿区 日本青年館に於きまして、平成24年度・第3期通常総会が開催されました。
 全国各地で極寒に凍りつく2月の東京ではありましたが、ご来賓に、・亀井伸雄様((独)国立文化財機構 東京文化財研究所 所長)・山田勝雄様((社)全日本瓦工事業連盟 理事長)・澤元教哲様(㈱天峰建設 代表取締役社長 日本伝統建築技術保存会会員)をお迎えし開催。
 東日本では大震災の影響、復興がまだまだ続く中、初めての東京都開催と言うことで、参加者減少が危惧されましたが、栃木県、茨城県、福島県からも会員の元気な姿を見せて頂き、再会を喜んでおりました。また、上程された議案の中には継続されて行く各研修会の他に、新たな試みとなる「文化庁委託事業への申請」や「講師セミナー」等が盛り込まれた事業計画や、次回総会の京都回帰など、7議案全てが承認可決され、無事総会が終了致しました。
 総会後には当会の活動に対し多大なるご尽力を頂いた株式会社天峰建設社長 澤元教哲様 ・株式会社アマノコーポレーション社長 天野克一様 ・井上瓦産業株式会社社長 井上幸治様 ・野水瓦産業株式会社社長 野水隆雄様に対し感謝状と記念品の贈呈を行い、会より謝意を表しました。
また、今総会では、当会の活動にご理解を示された方々がオブザーバーでのご参加をいただき、活動に対して感銘を受け、2月22日より開催致します「初級 伝統的瓦葺技能研修会」に数名が参加をされるなど、大変有意義な会となりました。
 総会後の第2部前半では、金沢工業大学 環境・建築学部 建築系建築学科 教授 博士(工学)の後藤正美先生をお迎えし、ご専門の『木構造/耐震工学』の観点より、今回は「震災に見る伝統建築構法と瓦」と題し特別講演をお願い致しました。震災や実験から得られたデーター等は、伝統構法の構造がいかに瓦との関係に密接であり重要か、また、重さを利用する復元力やねばりを評価するには、軸組の仕口のは働きと供に、土壁のもつ柔軟性との関係性が有る事など、我々がこれから先も「瓦」を生かすためには、伝統構法をきちんと理解し、伝統建築復権の今後につなげていく必要がある事を再確認出来る講演となりました。後藤先生は現在、国土交通省の3ヶ年プロジェクトである『伝統的構法の設計法作成及び性能検証実験 検討委員会』の実験検証部会の主査も務められておられます。実際に伝統建築構法を使い瓦葺きされた民家を振動台で揺らし、壊れ具合や検証実験データを取りまとめ、実際の改修や新築で使える設計基準を作るという、今まで成し得なかった、日本建築文化の数値化に挑む壮大なプロジェクトの責任者の一人として本年9月にも再実験に入る模様です。この度の公演により出席者は、追い風が瓦業界にそして私たちに吹き始めていると感じたことでしょう。
第2部後半では、平成23年度より開始されました、中級 伝統的瓦葺技能研修会の報告が、北原副理事長よりなされ5月、7月、9月、11月の研修の模様を、プロジェクター映像を交え報告致しました。研修会に参加されていない会員やオブザーバーは、事業内容の濃さに改めて研修会の重要性や、これからの甍会の方向性を確認できたことと思います。
 旧知を温める懇親会では各自の近況報告や、技能・技術論にテーブルの花の輪毎に盛り上がり、笑い声の絶えない親睦が繰り広げられておりました。また、総会の合間に投票をされた写真コンンクールでは、日々の研鑽の跡が見られる作品を皆が選び出し、福島県の金澤 勝也君が手掛けた居宅の作品には、すばらしい発想と施工に対する努力、そして提案力と行動力が認められ最優秀賞が授与されました。京都の徳舛理事よりの各写真講評では、瓦に対する姿勢や技能を発揮した箇所には的確な説明があり、一同は酌み交わす手も止まり耳を傾け、楽しい一時は駆け足で過ぎて行きました。
 二日目 文化財見学研修では、雨の降る中、皇居東宮御苑や宮内庁庁舎、初めて目にする宮殿や、内側から見る二重橋など、貴重な建物を拝覧し、東京の喧騒とはかけ離れた神聖な空気の中、見学者は夢想空間にも似た大変有意義な時間を過ごすことが出来ました。浅草に移動後、浅草寺の伽藍見学。屋根の上は新旧の屋根材が混在する寺院とあって、古い瓦屋根が依り一層凛と際立って見え、瓦が景観に与える影響は大きいと感じ入りました。この感覚は一般の方にも何かしらの訴えをしているのではないかと思える雨の浅草寺で、一同解散となりましたが、被災会員の今後の更なる復興とご健勝、オブザーバーの皆様のご活躍を祈願し、会員の皆様とは次回総会、研修会での再会をお誓いして、無事2日間の日程を終了致しました。
 ご参加頂きましたご来賓の皆様、会員の皆様、オブザーバーの皆様には大変感謝申し上げます。
24年度総会-2 24年度総会-3 24年度総会-4 24年度総会-5

『平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会』活動報告11月 静岡会場

2011年11月29日

23年度中級11月ー1
平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会
日時  平成23年11月25日(金)~27日(日)
会場  株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者8名 内部講師 理事長以下6名
 
第1日目
・9時30分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・3時限目 前回出された隅傘勾配の原寸図課題に対し理解度を確認するために検証、各棟断面図に移
 るための準備へと取りかかり、初日がスタートしました。
4時限~10時限目、隅棟断面図では隅鬼瓦裏に縋りつくのし瓦の目地寸法の変化や、のし積み棟の法
勾配の変化、捨てのし瓦の段数決めから基本隅棟尻に掛けてのし瓦勾配変化の考察など、隅棟を施工
する際に重要になるポイントを講師より指導を受け、各班に別れて断面図作図に取りかかりました。
基本断面図が書きあがると、それに伴い破風尻に発生する納まり位置の考察が必要になるため、掛け
瓦と隅棟の接点の求め方から正面図に展開する作図方法の指導を受け、初日の講習が終了しました。
 
第2日目
・1時限目~4時限目 午前中を掛け前日から描き始めた破風尻納まり図を完成させるべく講師も受講者
 も真剣に追い込みに入り、ピンと張りつめた空気の中集中して作図に取り組んでいました。特に隅棟
 台面と掛け瓦唐草横接点位置、接点に関係する直下の妻丸芯と唐草接点の位置決めに苦慮しており、
 午前中の時間だけでは足りない受講生に対しては自習・次回2月に行われる初級研修会時に補修を約
 束し、午後の隅棟断面仕上げ・下り棟断面仕上げへと進んで行きました。各棟の断面図は実際の架台
 施工に対し実際の納まりとして使用されるため、より正確な仕上がりが求められます。各々が確認し
 合いながら班毎に作業を進めて行き2日目が終了致しました。しかし、時間内に終了出来なかった受
 講生の中には、終了後も居残り、夜遅くまで自習に没頭し、遅れを取り戻そうと余念が有りませんで
 した。
 
第3日目
・1時限目~6時限目 昨日書き上げられた隅棟断面図を基に隅棟姿図を書き起こすため、朝から架台に
対峙して隅棟の台面曲率を計測。班毎に計測の仕方も考察しながら実測弛み寸法を拾い出し、原寸に
描き起こして行きました。隅棟側面図の描き出しの注意点、のし瓦の勾配が変化することにより側面
から見る見え幅の変化や、捨てのし瓦の入り方、納まり位置の決め方や考え方など、様々な角度から
指導があり、受講者ならびにオブザーバー参加者も知識を吸収。隅棟側面図が終了した時点で講義は
終了しました。次年度より始まる架台施工に対しての注意点や自習の申し付け(書き上げ予定だった
原寸図の仕上げ)補習希望者に対しての対応を再度約束し、平成23年度 第4回 中級伝統的瓦葺技
能研修会、前期講習会の全日程が無事に終了致しました。
 
23年度中級11月ー2 23年度中級11月ー3 23年度中級11月ー4 23年度中級11月ー5

『平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会』活動報告9月 静岡会場

2011年11月29日

23年度中級9月ー1
平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会
日時  平成23年9月24日(土)~26日(月)
会場  株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者8名 内部講師 理事長以下8名
 
第1日目
・9時30分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・3時限~4時限目 前回出された復習の原寸図課題を検証・確認。不備の個所には講師が丁寧に書き
損じ箇所を指摘、受講者全員の理解度を再度チェックしました。
5時限~10時限目、架台データーを基に軒先流れ断面を作図、施工図を描くことに慣れ始めた講習生
は、講師のアドバイスに対し的確に対応し始め、より正確な図面が書き上げられました。
軒先断面図の仕上がり後、流れ方向正面より軒先を見た正面図へと書き移り、原寸図の基本となる図
面を理解し、グループ毎に進み具合に遅れの出ないよう、講師がフォローしながら初日の授業が終了。
 
第2日目
・1時限目~10時限目 掛瓦中央最深部断面図では、掛瓦の勾配と利根地・袖地の関係や、最深部の袖
 丸の高さと、美しい箕甲状に納まる丸上端の線の決め方を考察しながら書き始め、続く拝み断面図で
 は、棟幅位置での台面下場の通り位置と拝巴納まり位置・高さの関係を確認し施工図を書き上げ、拝
 み正面図へと展開をして行きました。実際の現場での納まり経験値を脳裏に描きながら、理論的に施
 工図に描き変えて行くことは、これからの後進指導者としてのスタートでもあります。口伝とされた
 技能を技術として伝えるための講習でもあるため、その点も理解しながら受講していました。 
 オブザーバー参加者はこの間、受講生が書き出して行く施工図描き手順を、資料の裏に書き写すなど
 して、同じ様に講義の内容を一言一句聞き漏らしの無い様に真剣にメモを取る姿が見られ、オブザー
 バー参加者各位は次回中級研修開催の対象者として自覚を持ち、自習に余念がありませんでした。
 私語もほとんど聞こえない会場は真剣さが漂う2日目となりました。
 
第3日目
・1時限目~6時限目 各自前日書き出した原寸図を仕上げ確認し、受講者全員の理解度を再度チェック
しながら3日目を開始。
 掛瓦の拝みおよび中央部分の正側面図より立体的な伏図へと展開。是からはより難しい破風尻部分等
の図面へと進んで行く為、その基となる笠勾配の考え方を講師が 真隅・振れ隅へとレベルを上げて 
手順を説明しながら描いて見せた後 受講者のみならずオブザーバーも資料の裏面等を利用し一通り
描いてみました。大半の受講者は理解できたものとおもわれます。
 又、次回開催の11月までに、今回受講した内容を良く復習し、書き上げ予定だった原寸図を仕上げて
 くることを課題として、第3回 中級東日本研修会が無事に終了致しました。
23年度中級9月ー2 23年度中級9月ー3 23年度中級9月ー4 23年度中級9月ー5

『平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会』活動報告7月 静岡会場

2011年08月03日

23年度中級7月ー1
平成23年度 中級伝統的瓦葺技能研修会
日時  平成23年7月29日(金)~31日(日)
会場  株式会社 瓦粋 研修場
参加者 研修生 12名 オブザーバー参加者12名 内部講師 理事長以下5名
 
第1日目
・9時30分集合受付を開始し、会場セッティングならびに開会式を執り行う。
・1時限~2時限 日伝建 ㈱天峰建設 澤元教哲 講師をお迎えし、入母屋架台原寸図、規矩術による
 作図方法の基礎をご講義いただきながら、実際に1/10図面を作図。
・4時限~10時限目 内部講師による講習が始まり、今回より使用する入母屋研修架台を前に、原寸図
 作成に必要な各部位の計測や架台の検証を行いました。
 研修架台に使用される瓦の計測や、屋根原寸図に必要な瓦のテンプレート作りの準備では、研修生12
 名が、3名4班に別れ、グループ毎に原寸図の考え方などを話し合い、計測架台の基準数値発表や、瓦  
 の切断面の墨入れ指導を受けた後、各班で準備に勤しみ、2日目の瓦カットの準備を終えた時点で初日 
 の作業が終了。
 
第2日目
・1時限目~10時限目 朝からテンプレート作りの為、瓦のカット作業を順次進めて行き、班毎にボー
 ル紙に墨を入れ、テンプレート作りがスタート。
 テンプレートの精密さが原寸図に多大な影響を及ぼすため、如何に精密に作ることが大切かの説明を
 受けた後は、各自真剣に取り組んでおりました。
 オブザーバー参加者も、受講者がテンプレート書き写し後、資料の裏に同じ様にテンプレートの書き
 込みをし、講義も一言一句聞き漏らしの無い様に真剣にメモを取る姿が見られ、各自が自習に余念が
 ありませんでした。
 テンプレートが出来上がると、実際に瓦の流れ断面図や水平断面図の書き出しが始まり、班毎に計測
 した数値に基づき作図の開始。基準位置の考え方や書き方の基本を踏まえ、正確で丁寧な原寸図の書
 き方を習得しようと、会場は真剣さが漂う2日目となりました。
 
第3日目
・1時限目~6時限目 各自前日書き出した原寸図を確認し、不備が生じた受講者には、講師が丁寧にテ
 ンプレートのズレや、書き損じ箇所を指摘、受講者全員の理解度をチェックしながら3日目を開始。
 基本図面が書き上がったところで、正書用に用意されたフィルムに正確な原寸図を書き込んで行きま
 した。
 又、次回開催の9月までに、今回受講した内容を良く復習し、書き上げ予定だった原寸図を仕上げて
 くることを課題として、第2回 中級東日本研修会が無事に終了致しました。
23年度中級7月ー2 23年度中級7月ー3 23年度中級7月ー5 23年度中級7月ー4
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